子育て中の困窮世帯の１割が、家庭にインターネット回線が
ない、という実情が、子どもの貧困対策に取り組むNPO法人
「キッズドア」（東京）の調査で明らかになった、と報じ
られています。子どもの居場所づくりとして、所得を問わず
デジタル環境にアクセスできるよう支援が必要だと訴えて
います。調査は、昨年９～１０月、キッズドアサポートを
受けている世帯の保護者９１６人に実施しました。主に
年収３００万円未満で、母子世帯が大半を占める、という
ことです。家庭でのネット回線の有無について、８５人
（９．３％）が「ない」と答えました。通信データ容量が
使い放題の回線が「ある」は、最多の６８０人
（７４．９％）で、容量の制限付きの回線が「ある」は、
１３８人（１５．１％）でした。所得が低い層ほど回線が
ない割合が高い傾向にあった、とのこと。こうした調査は、
初めてだそうで、現状がわかったことは貴重だと思います。
今や情報にアクセスできるかどうかで、格差がますます
ひらいていく時代で、ネット回線がない状況の子どもたち
が、心配です。日本の子どもの貧困の最大の要因は、母子
世帯が増えたこととされています。男女の賃金格差があり、
子どもがいると働ける時間が限られることなどからです。
日本の母子世帯の母親は、世界と比べても、よく働いて
います。そうした中で、ネット回線を持てないのですから、
何らかの支援が必要だと思います。