交流サイト(SNS)への投稿で、殺人事件の遺族を中傷した

 

などとして訴追された、仙台高裁の岡口基一判事(58)

 

=職務停止中=の弾劾裁判で、裁判官弾劾裁判所(裁判長・

 

船田一元衆院議員)は、昨日3日、岡口氏を罷免する判決を

 

言い渡しました。SNS投稿などの表現行為を理由とした判断

 

は初めてです。事件遺族の名誉を毀損したと認め、「裁判官

 

としての威信を著しく失うべき非行」と結論づけた、と報じ

 

られています。裁判官の罷免というのは、裁判官は公正な

 

裁判ができるよう憲法で身分が保障されています。しかし、

 

著しい義務違反や職務怠慢、裁判官の威信を失う非行が

 

あった場合、国会の裁判官訴追委員会からの訴追を受け、

 

弾劾裁判所が罷免するかどうかを決めます、弾劾裁判は、

 

衆参議員計14人の裁判官で構成され、3分の2以上の賛成

 

があれば罷免されます。過去に罷免された7人は、重大な

 

職務違反や、刑事罰に問われたことが理由で、今回の

 

ような表現の自由の在り方などと絡む事案は初めてで、異例

 

の2年の時間をかけての審理になりました。岡口判事は、

 

女子高生殺害事件について、ツイッター(当時)に高裁

 

判決文へのリンクと「無残にも殺されてしまった17歳の

 

女性」などの文言を投稿し、その後も関連の投稿をして

 

いました。また、「遺族には申し訳ないが、単に因縁を

 

つけているだけですよ」などと見出しをつけた文章を投稿。

 

「遺族が洗脳されている」などと書いた文章を投稿。他にも

 

犬事件で、犬の所有権をめぐる民事訴訟に関して、「え?

 

あなた?この犬を捨てたんでしょ」などと投稿。などをして

 

いました。判決の骨子は、〇関口判事を罷免 〇殺人事件

 

遺族の抗議を受けても投稿などを続けたのは「表現の自由」

 

として許容されない 〇「洗脳」投稿などで遺族の感情を

 

傷つけた 〇「憲法の番人」の役割からかけ離れ、国民の

 

信託に背いた 〇一連の表現行為は罷免理由の「著しい

 

非行」に該当する、というものです。表現の自由は守られる

 

べきですが、裁判の過程をよく知る判事が、遺族の感情を

 

傷つけるなど、信託に背いた場合は、罷免されてしかるべき

 

だと考えます。判決には不服申し立てはできず、罷免判決で

 

法曹資格も喪失し、資格回復までは弁護士にもなれない、と

 

いうことです。