小林製薬(大阪市)製の紅麹原料を含むサプリメントが原因
とみられる健康被害が相次いでいる問題で、本社がある
大阪市は、昨日27日、同社に対し、食品衛生法に基づいて
紅麹成分を含む3製品の回収を命じた、と発表しました。
今後、回収が確認でき次第、市はさらに廃棄の命令も出す
方針、と報じられていあmす。回収の対象は、①紅麹コレス
テヘルプが約100万個 ②ナイシヘルプ+コレステロール
が約40個 ③ナットウキナーゼが約60個です。被害は、
26日時点で、サプリメントを摂取した2人が死亡、106
人が入院し、約3千件の相談が小林製薬に寄せられている、
ということです。小林製薬に、腎疾患の入院患者を診察した
医師から「サプリに、腎疾患を引き起こす成分が含まれて
いるのではないか」という連絡があったのは、1月15日。
2月初旬にかけて、さらに数例の入院が報告されましたが、
同社は「意図しない、未知の物質」が見つかる3月中旬
まで、会見を開きませんでした。国に報告が届くまで2ヶ月
もかかったことは、被害を大きくしたと思います。紅麹は、
多くの会社に供給されていて、自主回収が広がっています。
そもそもの問題は、機能性表示食品が、安全性は企業頼み
で、審査がないことです。本来、食品には健康に及ぼす機能
性(効果)を表示できないことになっています。例外的に、
保健機能食品という食品群だけが、機能性の表示を認められ
ている、ということです。安全性と機能性に関する情報と
いった、消費者庁のガイドラインに定められた事項を企業が
消費者庁に届け出るだけで、審査はありません。この制度
は、安倍政権の経済成長戦略の一環として2015年に開始
されました。消費者庁は、26日、「安全性に大きな疑念を
抱かせる深刻な事案」として、6800の機能性食品
すべての緊急点検を指示しました。米国をはじめ海外では、
安全性に関してすべてを企業に任せている制度はない、と
いうことです。日本でも、安全性の規制を設けるべきだと
思います。