米映画界最大の祭典、第96回アカデミー賞の発表・授賞式
が、10日(日本時間11日)、ハリウッドで開かれ、
「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」(山崎貴監督)が、
視覚効果賞、「君たちはどう生きるか」(宮崎駿監督)が、
長編アニメーション賞を、それぞれ受賞しました。「ゴジラ
-1.0」は、1954年に公開された「ゴジラ」の70
周年記念作です。VFX(視覚効果)を駆使し、特撮で制作
されてきたゴジラの風合いを損なわずにダイナミックな映像
を作り出しました。舞台は終戦後の日本で、ゴジラが襲来
し、元特攻隊員などが立ち向かいます。視覚効果賞は、
アジアの作品で初めて、ということです。山崎監督は、
授賞式での挨拶で、「私にとって、この場所は望むことすら
しかなった場所でした。」「この賞は、すべての人に
チャンスがあるという証だ」と述べました。山崎監督は、
CGなど視覚効果(VFX)を駆使する国内外の映画は
ほとんど、本編の監督のほかにVFX専門の責任者を立てます
が、その両方を統括する、とのこと。今も所属する映像制作
会社「白組」でVFXの腕を磨き、自分の作品を作りたいと
自ら脚本も書いていて、三刀流とも言われているそうです。
ハリウッドの大作の10分の1の予算、10分の1の
スタッフで作りあげたということです。これから、この分野
で、日本の技術を使いたい海外からの要望も増えることが
考えられ、さらに発展が期待されます。ゴジラは、戦争の
象徴で、それを鎮める話です。他の受賞作、君はどう生きる
か、そして原爆開発者の葛藤を描いた「オッペンハイマー」
(クリストファー・ノーラン監督)が、作品賞、監督賞など
7部門を受賞し、戦争を描いた作品が受賞したことは、この
時代を象徴しているように思います。