経済界有志や有識者でつくる「人口戦略会議」(議長・三村
明夫日本製鉄名誉会長)は、昨日9日、2100年の日本
の総人口は8000万人を目指すべきだ、という提言を公表
しました。具体策を立案するため、内閣の司令塔機能や、
有識者などによる審議会の設置を求めました。副議長の増田
寛也日本郵政社長は、記者会見で、全国896自治体が
人口減により「消滅の恐れがある」とした2014年の試算
を見直す考えを示した、と報じられています。人口戦略会議
の提言のポイントは、〇人口急減やとめどない減少から
脱し、8000万人で安定化させる 〇内閣に「人口戦略
推進本部(仮称)」を設け、首相の諮問機関となる有識者
会議も設置 〇官民が連携し東京一極集中是正に取り組む
組織を設置 〇外国人受け入れは高度人材を基本とし、
入国後の人材育成が重要 〇将来推計人口のデータを基に
「消滅」の恐れがある自治体を再試算 というものです。
三村氏たちは、9日、岸田首相と面会し、提言内容を説明
しました。国立社会保障・人口問題研究所は、2100年の
総人口が約6300万人、高齢化率は40%になると推計
しています。提言は、1人の女性が生涯に産む子どもの数を
示す「合計特殊出生率」を2060年に2.07に回復
させ、2100年の総人口を8000万人とし安定化させる
シナリオを目指し、人口が減っても成長力を維持する社会を
つくる戦略が必要だ、と指摘しています。人口問題は、
とてもデリケートで、出生率の目標値を決めることは、
令和版「産めよ増やせよ」になりかねず、気を付けなければ
なりません。戦略会議に女性メンバーがいるのかどうかも
気になります。人口問題は、あくまでも、カップル、特に
産む女性の自己決定権が守られることが必要です。日本の
現状では、持ちたい子どもの数よりも、およそ1人少ない
出生数なので、持ちたい人が持ちたい時に子どもを産み育て
られるようにすること。そして、子ども・子育てをしっかり
支援することが肝要、と肝に銘じて取り組んでもらいたいと
思います。