子どもの自殺が増え続ける現状を打開しようと、政府は、省庁

 

横断のデータ分析に乗り出す、と報じられています。これまで

 

複数の省庁に散らばる形だ管理され、一部は自殺予防に十分

 

活用されずにきた資料を、こども家庭庁に集約します。個々の

 

ケースを分析しながら自殺に至る要因を多角的に調べ、科学的

 

根拠に基づく予防策の提言につなげる構想を描いている、との

 

こと。政府の2023年版自殺対策白書によると、直近10年間

 

(13~22年)に計3930人の小中学生が自殺しました。22年は

 

514人で、過去最多でした。先進7ヶ国(G7)のうち日本だけ、

 

自殺が10代の死因第1位だった、とのこと。この事実に驚き

 

ました。政府は、警察庁、厚生労働省、文部科学省、総務省、

 

消防庁、各自治体が持つ資料やデータをこども家庭庁に集約し、

 

分析することを決めました。各省庁と学校などが把握する

 

情報と一体化した分析は、これまでできていず、自殺に追い

 

詰められた背景、プロセスの解明が不十分という指摘があり

 

ました。2022年度に全国の小中学校が把握できた子どもの

 

自殺者411人のうち、文科省のガイドラインで定められた「詳細

 

調査」が実施された割合は、たった4.6%とのこと。411人中

 

19人で、20人に1人にも満たない数字です。公立では、学校

 

設置者である自治体の教育委員会が、詳細調査に進むかどうか

 

を判断する、ということです。文科省によると、詳細調査に移行

 

しない理由として「基本調査で全容解明ができ、学校に起因

 

しないと確認されたため」などと学校側が説明する例があるそう

 

です。子ども一人ひとりの死の背景などを真摯に調査し、予防に

 

つなげようという姿勢が見られず、責任のがれをしているように

 

感じます。こども家庭庁で、省庁横断で、実効性のある予防策に

 

通じる分析が行われるよう願います。