陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県)に所属していた五ノ井
里奈さん(24)に覆いかぶさり、着衣越しに下腹部を押し
つけたとして、強制わいせつ罪に問われた当時上司の元
3等陸曹3人=懲戒免職=に、福島地裁は昨日12日、
「卑劣で悪質だ」として、それぞれ懲役2年、執行猶予4年
(求刑懲役2年)の判決を言い渡しました。3人は、渋谷
修太郎被告(31)、関根亮斗被告(29)、木目沢佑輔
被告(29)で、無罪を主張していました。判決の骨子は、
〇被告3人をそれぞれ懲役2年、執行猶予4年とする。それ
ぞれに強制わいせつ罪が成立する。〇3人の供述は被害者や
目撃者の証言と矛盾し、不自然不合理で信用できない。
〇笑いを取るためで性的意図がなかったとしても、性行為を
容易に連想させ、わいせつ行為に当たる。〇被告らの行為は
被害者の人権を無視し、性的羞恥心を著しく害する卑劣で
悪質な態様だ。というものです。有罪判決が出て、よかった
と思います。五ノ井さんが、勇気をもって、実名で告発した
ことによって、ふざけていたとしても性的な行為は許され
ない、ということが明らかにされました。五ノ井さんに
対しては誹謗中傷もあり、フラッシュバックで倒れたり、
大変だったようですが、折れずに頑張ってこれからの自衛隊
の在り方も変えたと思います。判決後の取材で、五ノ井さん
は、「同じ被害者を生み出したくない思いで闘ってきた。
良い社会が生まれるために、自分一人の闘いではないと
思った」と語っています。五ノ井さんは、今年秋、米
ニューヨークで開かれたタイム誌による「次世代の100
人」への選出を祝うパーティーに出席し、柔道着で晴れ舞台
に立った、と報じられています。日本では、まだまだ性被害
に対する見方が十分ではない中、世界から勇気ある告発が
評価されています。閉ざされた組織の自衛隊でも、今後、
女性が安心して働けるように変わってもらいたいと思い
ます。