政府は、昨日11日、総額年3兆6千億円に上る少子化対策
案を公表しました。児童手当拡充や多子世帯の大学無償化
などの子育て世帯向けに、受けそうなメニューを並べました
が、国民が支払う「支援金」の額は示されず、負担は増え
ないというイメージつくりに必死なようです。財源は
はっきりしないままで、これでは、もう一人、子どもを
持とうかという気持ちにはなれず、「異次元の少子化対策」
ということばだけが踊っているようです。中心となる児童
手当の拡充は、所得制限を撤廃し、支給期間の高校生の
年代までの延長、第3子以降の支給額を月3万円に倍増
する。多子世帯は、2025年度から、子どもの大学授業料
と入学金を無償化し、所得制限は設けない。保育では、
保育士1人がみる4~5歳児の数を定めた配置基準を
2026年度から見直す。などとなっています。一方、財源
は、創設する支援金に加え、社会保障の歳出削減(1.1
兆円程度)と既定予算の活用(1.5兆円程度)で賄う、
とされています。2028年度までに不足する財源は
「こども・子育て支援特例公債」(つなぎ国債)を発行
する、ということです。政策の中には、児童手当の所得制限
をなくしたり、保育士の配置基準を見直したり、評価すべき
ものもありますが、子どもはすべて平等に支援する、という
考え方からすると、先日も指摘した第3子以降を優遇する、
というのは、根本的に違うと思います。選挙前に、受けの
よい政策を並べて、財源は後回し、というやり方に、国民は
騙されないと思います。