世界各国の15歳を対象とする2022年の学習到達度
調査「PISA」で、日本の高校生の「読解力」が上向き、前回
2018年の15位から3位に上がりました。「科学的
リテラシー」も5位から2位に、「数学的リテラシー」は
6位から5位に上がりました。3分野ともトップレベルに
なりましたが、コロナによる休校期間が他国より短かった
ことも影響した可能性がある、と報じられています。読解力
が上がったことの背景には、約20年間で成績上昇への改革
を連発してきたことが奏功した、と文部科学省は、ほっと
している、ということです。ただ、学習量が増加し、子ども
や教員の日々の余裕が減っている現実もあり、学校に「息
苦しさ」が漂っている、という指摘もあるとのこと。
2003年調査で読解力の順位が落ちたPISAショック以降、
成績を世界上位に戻し、維持することが文科省の使命と
なった。PISAの読解力問題では図表が多用され、文章以外
にもさまざまな資料から情報を読み取り、表現する力が必要
になる。文科省は2007年に小中の全国学力テストを復活
させて思考力や表現力を測る設問を並べ、今の学習指導要領
で探究的な学習や話し合いの授業を要求している。という
ことです。さらに、ゆとり教育への批判が加速し、授業時間
や学習内容の増加が進み、現場では窮屈になっている、と
いう声もあります。PISAの結果に一喜一憂することなく、
学校生活が充実し楽しいものであること、社会に出てから
役立つことを身につけられることなど、基本的なことを
大切にしてもらいたいと思います。