全国で、熊の被害が相次いでいるため、熊を「指定管理鳥

 

獣」として扱うことを国が検討している、と報じられて

 

います。指定管理鳥獣になれば、財政面や特例などで、都道

 

府県が捕獲(殺処分)しやすくなる、ということです。

 

今年、人身被害が目立って多い東北6県と北海道、新潟県の

 

知事が、環境省に要望していました。もちろん人身被害は

 

防がなければなりませんが、人間との共生に向けて、軽井沢

 

で行われている取り組みを紹介したいと思います。軽井沢町

 

では、被害防止に、人里に近づく熊を山に追いかえる「ベア

 

ドッグ」と呼ばれる対策犬を全国に先駆けて、2004年に

 

導入しました。熊との共存をめざす取り組みが実を結び、

 

2010年を最後に、人の生活域での人身被害がなくなる

 

など、効果が表れています。対策を進めるのは、NPO法人

 

ピッキオで、発信器をつけた熊の個体監視や、人に近づくと

 

怖いということを覚えさせて山に戻す「学習放獣」、熊が

 

開けられないよう改良した公共事業所のごみ箱や電気柵の

 

設置を町と進め、被害が大幅に減少しています。ピッキオの

 

担当者は、「25年かけて、人間への警戒心を熊に教えて

 

きた。駆除だけでは出没は止められない。お互いの住み分け

 

ができるよう、管理と環境整備が必要だ」と話しています。

 

今年度の熊による人身被害は、10月末時点で180人、

 

最悪だった2020年度をすでに上回っています。各地で、

 

このような取り組みが行われるとよいと思います。