物価や人件費の高騰で、学校に給食を提供する業者が苦境に

 

あります。9月には、全国約150ヶ所で給食や学食などを請け負う

 

広島市の「ホーユー」が事業の一部を止め、波紋が広がりました。

 

業界の構造的な問題も指摘されている、と報じられています。

 

大阪府では、支援学校3校の給食が停止し、事業者を確保し

 

再開した、とのこと。同社が運営する高校13校の食堂の営業

 

はすべて停止され、別の業者に提供を頼んだり、宅配の弁当を

 

発注したりしたそうです。ホーユーの食堂の丼や定食は500円

 

以内で、30~40年前と比べ、100円程度しか上がっていない、

 

ということです。帝国データバンクの調査では、昨年10月に

 

764品目の食品の値段が上がり、12月には、卵の価格も

 

上がりました。高校給食を作る会社は、入札で3年契約などが

 

結べるのは魅力だが、価格設定はぎりぎりで、今のような物価

 

高騰では赤字になる、と言っています。帝国データバンクの調べ

 

では、2022年度は、給食を手懸ける374社ののうち、34%

 

が赤字で、今年7月の別の調査では、15%が物価などの高騰

 

分を、まったく価格転嫁できない、と答えています。公立小の

 

給食を担う業者は、コロナ禍で休校が相次いだ際に社員を減ら

 

し、新たに雇うにも人件費は上がっていて、経営にまともに

 

響く、としています。高校や私立小中学校、学校寮の給食と同様、

 

公立小中学校でも外部委託は進んでいます。文部科学省の

 

2021年の調査では、公立小中学校の給食の調理部門では、

 

約55%が業者委託で、2013年に約15%だったのに対して、

 

3倍以上に増えています。これだけ民間委託が進んでいるの

 

ですから、急に停止されたりしないように、自治体の支援のあり方

 

や低価格競争を見直すべき、という指摘に、その通りだと思い

 

ます。