東京電力福島第一原発処理水の海洋放出後、中国の日本人
学校に石や卵が投げつけられる嫌がらせが相次いだことが、昨日
27日、わかりました。日本政府は、法人の安全確保に万全を期す
よう中国に求めました。中国では、海洋放出に伴って反日感情が
拡大し、日本製品の不買が呼びかけられました。また、解禁
されたばかりの訪日団体旅行は予約キャンセルが続出し、対日
世論は急速に硬化し、日中関係の冷え込みは必至、と報じられて
います。中国では、日本の水産物輸入が停止され、嫌がらせや
不買運動などが続いています。公明党代表の訪中も突如延期に
なり、中国の強硬姿勢を日本は見誤った、という見方も出て
います。環境省は、27日、処理水放出開始翌日に福島第一
原発沖で採取した海水の放射性物質トリチウムの濃度は、検出
限界値を下回ったと発表しました。福島県が採取した海水からも
検出されませんでした。こうしたデータをきめ細かく開示することも
理解を進めるには必要だと思います。中国は、政治的に、この
問題を使っている感もありますが、岸田政権の理解を得るための
努力も足りなかったのかと思います。国内でも、約束を反故にして
納得を得られないままの放出になっています。岸田首相の、
福島に行って、やった感を出すやり方は、頷けません。廃炉の
ためにデブリを取り出す、そのスペース確保というのが、海洋
放水でタンクの場所をあける理由とされました。ところが、まだ
数ミリしか取り出せていず、廃炉の見通しは全くたっていません。
この状態で、原発の新増設は、あり得ないと考えます。一方で、
政府が原発の新たな支援策の検討を始めた、とのこと。再稼働を
資金面で後押しする内容で、採算性が低い原発の温存や国民
負担の増大につながる懸念がある、とされています。既存の原発
は経済的だというこれまでの説明とも矛盾する、と指摘されて
います。原発推進ありきで進めることは、あってはならないと
思います。