東京電力福島第一原発の処理水海洋放出を巡って、計画の

 

安全性を検証しきた国際原子力機関(IAEA)は、4日、放出計画は

 

「国際的な安全基準に合致する」という包括報告書を公表しま

 

した。計画通りの段階的な放出であれば、人や環境への放射線の

 

影響は「無視できるほどごくわずかだ」と評価しています。政府は、

 

今年夏ごろまでとしている放出開始の具体的な時期を最終判断

 

する、と報じられています。政府と東電は、2015年に地元漁連

 

と「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」という約束

 

を交わしています。今回の報告書だけで理解を得るのは、難しい

 

と思われます。反対の理由は、安全性の懸念と、安全だとしても、

 

国内外に広く信用されていず、漁業などに深刻な風評被害が

 

生まれる恐れがあります。処理水は、事故で溶け落ちた核

 

燃料(デブリ)などに地下水や雨が流れ込んで発生する汚染水を

 

浄化した水です。放出計画では、トリチウム濃度を国の基準の

 

40分の1未満に薄めて放出します。膨大な量で、放出完了

 

には30年くらいかかる、とのこと。IAEAは、今後も、この原発の

 

敷地内に職員を駐在させて監視を続ける方針、ということです。

 

信頼できる情報を発信し、理解を得て進める必要があります。