配偶者に扶養されるバート従業員が、社会保険料負担の発生を
避けるため働く時間を抑える「年収の壁」に関する政府の対策案
が明らかになりました。保険料を穴埋めする手当を払った企業に
対して、従業員1人当り最大50万円を女性する。従業員の手取り
減を防ぎ、労働人を延長しやすくすることで、人手不足解消を狙う
とのこと。現在は、従業員101人以上の企業で働くパートの
場合、年収106万円になると配偶者の扶養を外れます。厚生
年金などの保険料を自ら負担し、手取りが減ります。扶養されて
いる間は国民年金の「第3号被保険者」として、保険料を払わず、
将来の年金が受け取れます。女性が能力を発揮して働けるように
するためにも、人口減の中、労働力を確保するためにも、税の
配偶者控除とともに、第3号被保険者の問題が、長く議論されて
きています。今回の政府の対策案では、自ら保険料を払っている
人との間で不公平になること、保険料を穴埋めしてくれるという
理由で働き先が選ばれたら、現状の壁によるゆがみを増すことに
ならないか等が、危惧されています。第3号被保険者は、1986年
に導入されましたが、40年近く経ち、多様な働き方になり、共働き
世帯や単身世帯が増えている中で、見直しが必要です。今回の
政府の対策案のような小手先の対応ではなく、税制も含めた
抜本改革をしてもらいたいと考えます。