広島市で開かれた先進7ヶ国首脳会議(G7広島サミット)は、昨日
21日午後、閉幕しました。岸田首相は、平和記念公園で議長国
記者会見を開き「核兵器のない世界」実現という理想をG7で共有
したと語りました。被爆地で開催されたG7広島サミットですが、
ウクライナのゼレンスキー大統領が、電撃来日し、議論の焦点
が、ウクライナ支援に移り、米国製F16戦闘機の訓練を含む軍事
支援を欧米から取り付け、外交力を示しました。議長の岸田首相
は、急速にかすんだ、と報じられています。G'首脳が、そろって
原爆資料館を訪れたことは、前進と評価できます。G7首脳の主な
記帳内容も報じられていて、自分の眼で被害状況を見て、認識
したことは、大きいと思います。米国が強く主張した、ということで、
非公開だったのは、残念ですが。バイデン大統領も「この資料館で
語られる物語が、平和な未来を築くことへの私たち全員の義務を
思い出させてくれますように」と記帳し、仏のマクロン大統領は
「平和のために行動することだけが、私たちに課された使命です」
と。英スナク首相は「私たちが、心と魂を込めて言えることは、繰り
返さないことだ」と記帳しました。一方で、核軍縮の文書では、
核なき世界を「究極の目標」に位置付けながら、G7の核兵器に
関しては「侵略を抑止し、戦争や威圧を防止」する抑止力だと
して正当化しています。岸田首相は会見で、米国の「核の傘」を
肯定しつつ核なき世界を訴える二律背反を「矛盾しない」と言い
切りました。しかし、被爆者団体をはじめ、多くの人から、かえって
後退だ、という厳しい批判が出ています。G7議長国としての日本
の役割は続きますので、懸案に向き合って、ひとつずつ成果を
あげていくことが、求められています。