文部科学省は、28日、2024年度から小学校で使用される
教科書の検定結果を公表しました。合格した11教科149点全て
に、2次元コード(QRコード)が記載され、デジタル対応が進展して
います。全教科の平均ページ数は、2020年度から使用されて
いる現在の版より2%増えました。QRコードを通じて、音声や動画
を視聴する教材が充実している、とのこと。接続先の教材は、検定
対象外です。QRコードを端末で読み取り閲覧できる関連教材は、
道徳では作品の朗読、英語では単語の音声、社会では地図記号
当てクイズなどです。ネイティブの英語の発音が聞けるこどは、
効果が感じられますが、大幅にQRコードが増えて、先生は持て
余している、と報じられています。まだ手探り段階で、子どもたちが
自分で調べることが減るのではないか、学校や教員が振り回され
る、など課題もあるようで、丁寧な検証が求められると思います。
また、道徳では、指導要領が挙げる「伝統と文化の尊重、国や
郷土を愛する態度」の扱いが不十分だとする検定意見が13件に
上りました。「郷土のほこり」という記述を「郷土と日本のほこり」と
修正して合格した教科書もある、ということです。事実の誤りの
指摘など最小限にとどめるべき検定制度ではなく、特定の価値観
を国が定めるようになってきているのではないかと、疑問を持ち
ます。