放送法の政治的公平性をめぐる安倍政権下での首相官邸側との
やりとりを記録した行政文書について、当時総務相だった高市
早苗経済安全保障担当相が、自身の登場がある文書を「捏造」
だと発言した問題が、連日国会でも取り上げられています。
霞が関の官僚たちは「捏造する理由がない」と話しています。
高市氏は、事実であれば「大臣も議員も辞めて結構だ」と答弁し、
森友問題の安倍元首相を彷彿とさせます。総務省は関係者の
証言を公表し、「大臣レクがあった可能性が高い」としています。
これに対しても、高市氏は、不正確な文書という認識は変わらない
としています。総務省は、2015年という8年前のことで、記載され
ていることの正確性はわからない、として幕引きを図ろうとして
いるようです。放送法について、政治的公平性は「番組全体を
身て判断する」とした従来の解釈を「一つの番組でも判断できる」
と捻じ曲げたやりとりが克明に記録されています。高市氏の強気
の対応に焦点が当たり、本来の焦点であるはずの、放送法の
解釈変更についての議論が深まっていないことに、危惧を持ち
ます。このように真相を明らかにしまいままの幕引きは、許され
ないと思います。