自民党税制調査会は、昨日14日、幹部会合を開き、防衛費増額
の財源を法人、所得、たばこの3税で確保する案で合意しました。
所得税額に1%程度を上乗せし、防衛費に充てる目的税を創設
する、とのこと。東日本大震災の復興特別所得税を転用する形で
税収2千億円程度を振り向けることにしていいます。復興特別
所得税の税率を下げ、当面の負担を据え置き、2037年の期限を
14年間延長するため全体では実質増税となる、と報じられて
います。復興増税とは区別した新税を創設する手法で対応する、
ということですが、実質増税や転用への批判があると思われます。
また、加熱たばこを段階的に増税する案が出ていて、1年目は
1本1円、翌年以降0,5円、とされています。現在の北朝鮮や
中国、ウクライナに侵攻しているロシアなど、日本を取り巻く防衛を
強化する必要があることは、わかります。しかし、その内容が
はっきり説明されないまま、1兆1千億円という金額ありきになって
いることは、納得できません。来年の統一地方選などをにらみ、
国債の発行で、子どもや孫にツケを残して行う、という自民党内の
考えは、もちろんとんでもないと思います。毎年のことなので、恒久
財源が必要です。それでも、復興のための税金を転用すること
は、被災地では受け入れられないと思います。そして、高額の
防衛費の増額で、岸田首相が約束した、子ども・子育て支援の
財源を2倍にする、ということが、その影響で後回しになることは、
避けてもらいたいと思います。子どもや子育ての支援の財源を
後回しにしても、防衛費を増額することに納得する人が、どれだけ
いるでしょうか。