政府は、昨日1日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題
を受けた被害者救済新法の法案を閣議決定し、衆院に提出しま
した。提出済の霊感商法の被害者救済のための消費者契約法、
国民生活センター法の改正案と併せて、今の国会での成立を
図りたい考え、と報じられています。新法は、寄付を勧誘する際
に「困惑」させる6つの行為を明示して禁止、禁止行為違反など
には国が勧告や命令を行える、命令違反には1年以下の拘禁刑
や100万円以下の罰金を科す。寄付を勧誘する際の配慮義務も
規定。「自由な意思を抑圧し、適切な判断をすることが困難な
状況に陥ることがないようにする」など、マインドコントロール下に
ある人への勧誘行為の規制を求めてきた野党側の主張を一部
採り入れた、とのこと。被害救済の仕組みも盛り込み、一定の
不当な勧誘行為によって行った寄付を取り消すことができる
ようにする、などです。最初に比べると、盛り込まれることが増えて
いますが、野党側は法案の配慮義務を禁止項目として明記する
ことなどの修正を求めています。早く成立させてもたいたいと
思う一方、被害者や弁護団が、これでは救済される範囲が狭すぎ
て、効力が限られている、としている声に、しっかり応えてもらい
たいと思います。「困惑」も「要求」も立証が難しいこと、マインド
コントロールの状態にある中での寄付の取り消しが見送られた
こと、扶養を受けられなくなった子どもや配偶者が取り消し権を
使って返金が求められることになっていますが独立していると
行使できないことなど、改善が求められることが、たくさんあり
ます。弁護士などが、「ほとんど救われないのでは」という法案を
早く成立させても、意味がありません。残り会期の中で、中途半端
なものを作らないでほしいと考えます。