米中間選挙の投票日から1週間経ち、連邦議会上院(定数100)
を、民主党が引き続き掌握することが確実になり、焦点は、下院
(定数435)に移りました。下院は共和党が優勢ですが、僅差に
なっています。中間選挙では、大統領の政党が苦戦することが
通例で、今回も、共和党の巨大な赤い波が来る、と予想されて
いました。しかし、実際には接戦になり、上院は民主党が制し
ました。2024年の大統領選に意欲を見せるトランプ氏が推薦
した候補者たちが敗れ、トランプ氏の「敗北」を印象づける結末
になった、と報じられています。物価高が国民生活を圧迫している
ことから、共和党が上下両院を奪還する、と見られていました
が、6月に連邦最高裁が中絶の権利を認めない判決を出し、
共和党が選んだ保守派の判事たちが出した判決に、人権を守ろう
と女性や若い人たちが立ち上がり、民主党への追い風になり
ました。また、ペロシ下院議長宅が襲われ、夫が重傷を負ったこと
や、大統領選の時の議会襲撃もあり、トランプ氏を認めると暴力に
つながる、という恐れもあったのだと言われています。このように、
弱い立場と言われる、女性、若者、マイノリティーなどが動いて、
人権を守る、まっとうな民主主義を守った、今回の選挙は、投票率
が低く、なかなか政治を動かせない日本からは、羨ましく見え
ます。