イランで、抗議行動が広がっています。きっかけは、首都テヘラン
を旅行していた女性が、先月半ば、ヒジャブと呼ばれるスカーフ
から髪が出ているとして連行され、3日後に死亡したことです。
心臓発作を起こしたと警察は説明しましたが、遺族は頭の骨が
折れていたとして、警察の暴行を訴え、抗議デモが各地で起きて
います。イランは、1979年のイスラム革命後、政教一致の体制に
なり、体の線や髪が見えないよう覆い隠すことが、義務付けられて
います。穏健派のロウハニ前政権から、保守強硬派のライシ
政権になり、取り締まりが強化されたそうです。抗議デモは、
80以上の都市で行われ、学生や若者が主体になっています。
長い髪を切り落として抵抗の意思を示す動きは国境を越え、
フランス、ベルギーの俳優、歌手など50人以上が、髪を切る
動画がSNSに投稿されている、と報じられています。ライシ政権
は、暴動は許さないとしてデモの鎮圧をしていて、参加者に銃口
が向けられ、少なくとも50人超が殺害された、ということです。
デモに参加した16歳の少女2人も、相次いで死亡しました。
当局は、転落死や自殺としていますが、不審な点が浮上し、国民
の間では、当局による殺害を疑う声が、広がっています。
アムネスティ・インターナショナルは、治安当局に警棒で頭を
殴られた後に死亡した、という情報を伝えています。米国、
カナダ、EUは、風紀警察などを制裁の対象に指定したり、指定
することを検討している、とのこと。日本も声をあげてほしいです
し、私たちも抗議に連帯の気持ちを表したいと思います。