岸田首相は、一昨日24日、原発の新増設や建て替え(リプレース)
について、検討を始める考えを示しました。「想定していない」と
してきた方針を変えたもので、2011年の東京電力福島第一原発
事故以来の大きな政策転換になります。原則40年の運転期間の
延長も検討する方針で、原発回帰の方向性が鮮明になった、と
報じられています。脱炭素の実現について議論するGX(グリーン
・トランスフォーメーション)実行会議で、表明しました。政府は、
年末にかけて具体的な議論を進める、ということです。2011年の
原発事故の時に政権を持っていた民主党では、今後どうしていく
かを、討論型世論調査で、国民のみなさんに聞いたことをもとに
「2030年代に原発ゼロ」の目標を決めました。原発事故の後、
故郷に戻れない人が、まだ多くいます。また、ロシアのウクライナ
侵攻で原発も標的にされ、危険性が改めて認識されています。
この時期に、原発の新増設を検討とは、何を考えているのか、
理解できません。また、老朽化による事故を避けるため、運転は
原則40年までと法律で決めてあります。その後、政権に戻った
自公政権、安倍元総理のもとで、その期限がないがしろにされ、
例外だったはずの20年延長した60年が適用されるようになり
ました。最長60年の原発の運転期間延長も検討する、ということ
も、認められるわけがないと思います。また、議論の進め方も
不透明です。GX実行会議は、原発を推進する産業界や電力
会社の幹部も加わり、議論は非公開ということです。従来の
エネルギー基本計画の有識者会議が公開で議論をしているのに
非公開で関係者によって決められることも納得できません。
脱炭素のためには、価格が上がっても、再生可能エネルギーを
本気で推進すべきだと考えています。