政府が感染症対策を強化するため、厚生労働省の「医薬・生活

 

衛生局」の業務を医薬品関連に特化し、食品の安全や水道の

 

衛生管理などの他の業務の移管を検討していることがわかった、

 

と報じられています。業務を絞って、治療薬やワクチンの承認

 

手続きの迅速化を狙う、ということです。岸田首相が掲げる「健康

 

危機管理庁(仮称)」構想とともに、感染症対策の司令塔機能の

 

抜本強化を図る、と複数の政府関係者が明らかにしたそうです。

 

食品の完全対策は農林水産省に、水道の衛星管理は国土交通

 

省に移管する案が浮上しています。政府は、新型コロナウイルス

 

対応を検証する有識者会議が月内にまとめる提言を踏まえて、

 

検討を本格化させる、とのこと。確かに、ワクチン行政や医薬品の

 

認可が遅すぎるという指摘は、以前からあります。必要なことだと

 

思いますが、健康などの安全を守ってきた厚生労働省から他省に

 

移管される部分で、安全が脅かされることのないよう、チェックが

 

必要で、議論をしっかりしていく必要があると思います。一方、

 

今の国会で成立した経済安全保障推進法は生活に必要な半導体

 

や医薬品など重要物資を安定的に確保する「サプライチェーン

 

(供給網)の強化」が盛り込まれています。企業は、助成金を期待

 

していますが、国がどこまで経済活動に関与するかは、難しいこと

 

です。政府をあげて国産ワクチンや治療薬の開発を進めています

 

が、苦戦が続いています。5社が治験止まりで承認申請に至って

 

いません。一朝一夕で効果が上がることではなく、息長い、線引き

 

をきちんとした支援が必要なのだと思います。その際も、くれぐれ

 

も安全性をおろそかにしては、なりません。