北海道電力泊原発1~3号機(泊村)で事故が起きれば、生命や

 

身体の安全が脅かされるとして、周辺住民など約1200人が、

 

北海道電力に運転差し止めや廃炉を求めた訴訟の判決で、

 

札幌地裁は、一昨日31日、「津波に対する安全性の基準を満た

 

していない」などとして、現在定期検査中の3基の運転差し止めを

 

命じました。原告側によると、津波対策を理由に運転を認めな

 

かった判決は初めて、とのこと。北海道電力は、控訴の手続きを

 

行う、とコメントしています。谷口裁判長は判決理由で「(既存の)

 

防潮堤の地盤に液状化が生じる可能性がないことを相当な資料

 

によって裏付けていない」と指摘し、津波の際に基準を満たす防護

 

施設が存在しないとして、原発は安全性を欠く、としました。提訴

 

は、東京電力福島第一原発事故が起きた2011年11月です。

 

これまで、北海道電力は規制委員会の審査をにらみながらの

 

対応に終始し、安全性の立証を先延ばしにしてきたため、地裁は

 

今年1月、審理を打ち切っています。北海道電力の能力不足を

 

裁判所が問題視したといえ、判決では、時間をかけても立証を

 

終える見通しが立たない事態に触れ、「泊原発が抱える問題の

 

多さ、大きさをうかがわせる」と指摘しています。北海道電力への

 

不信は、規制委員会も同じで、2013年の再稼働の申請以降、

 

説明が二転三転し、審査の場に適切な資料を提出しない北海道

 

電力をたびたび注意している、とのこと。更田委員長は、今年春、

 

「地震や津波、火山について専門的な議論ができる人材が欠けて

 

いると指摘しているが、十分な対応がみられず数年が経った」と

 

改めて苦言を呈しています。北海道電力は、ただちに控訴すると

 

していますが、安全第一なのに安全性を国民に納得がいくように

 

説明できていないこと、規制委員会からの専門家が必要という

 

見解に応えることなど、それより先にやるべきことがあると思い

 

ます。また、政府与党は、環境問題や燃料不足などから、原発を

 

ベースロード電源に位置づけ積極的に活用しようとしていますが、

 

安全性が確保されないものは運転しないなど、国民が賛同できる

 

態勢を整えてもらいたいと思います。私自身は、原発は減らして

 

いって、コストがかかっても再生可能エネルギーを使うべき、と

 

考えていますが。