第94回米アカデミー賞の受賞式が、27日(日本時間28日)、

 

ハリウッドで開かれ、濱口竜介監督(43)の「ドライブ・マイ・カー」

 

が、国際長編映画賞を受賞しました。日本映画の同賞受賞は、

 

2009年の滝田洋二監督の「おくりびと」以来13年ぶりです。

 

公式会見で、濱口監督は「素晴らしい作品の中で賞を取れたと

 

いうのは本当に驚くべきこと。コロナの状況が、喪失とそこから

 

どう生きていくのかを描いている物語と響き合ったとこともあるの

 

ではないかと思う」と語りました。おめでとうと言いたいと思います。

 

作品、監督、脚色の3部門でもノミネートされましたが、受賞は

 

なりませんでした。4部門にノミネートされたことだけでも、すごいと

 

思います。「ドライブ・マイ・カー」は、村上春樹さんの短編小説が

 

原作で、西島秀俊さん演じる喪失を抱えた演出家が三浦透子さん

 

演じる運転手との出会いなどを通じて再生へ向かう物語です。

 

原作も読みましたが、それをこのような映画に作り上げたみなさん

 

の力を感じます。この作品は、昨年のカンヌ国際映画祭で、日本

 

作品として初めて脚本賞を受賞するなど国際的に高く評価されて

 

います。濱口監督は、会見で、次のようにも語っています。「ここが

 

到達点だったら嫌だな、ここが通過点だといいな、と思って

 

います。」「時間をかける意思さえあれば、せき立てられるように

 

仕事をしなくて済むし、お互いをリスペクトする環境も生まれ

 

やすい。映画界だけではない。時間をかけて、本当に価値が

 

あるんじゃないかということをみんなでやることができたら、今より

 

少し幸せじゃないかと私は思う。(「ドライブ・マイ・カー」を)そう

 

いう実例だととらえていただけたらありがたいと思っています」と。

 

まだ34歳の濱口監督の今後にも、期待したいと思います。