5~11歳を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が、
多くの自治体で、3月から始まりました。3月17日までに対象の
1.7%にあたる12万6千人が接種を受けました。オミクロン株が
猛威を振るう第6波では、子どもの患者が急増し、重症化する
例が出ています。米国の疾病対策センター(CDC)の研究に
よると、2回接種後の14~82日のオミクロン株に対する感染
予防効果は31%で、12~15歳の59%より低くなっています。
これは、ワクチンを打たない理由の一つになるだろうと、専門家は
みています。情報を保護者にしっかり伝え、接種するかどうかの
判断に役立ててもらいたいと思います。子どもへのワクチン接種を
考えるポイントとしては、〇特に基礎疾患のある子どもには有効
〇感染すると重症化の恐れがある同居家族の感染リスクを減らす
〇発症や重症化を防ぐと期待される 〇感染した場合、小児でも
後遺症の報告がある 〇腕の痛み、疲労感、頭痛といった副反応
〇まれに急性アレルギー、アナフィラキシーや失神反応(血管
迷走神経反射) 〇ごくまれな心筋炎や心膜炎 が挙げられて
います。保護者は、判断が大変だと思います。
一方、コロナに効く飲み薬が期待されていますが、国産の塩野義
製薬が2月に承認申請した新型コロナウイルス感染症の飲み薬
の審査を巡って、厚生労働省が頭を悩ませている、と報じられて
います。初の国産の飲み薬として注目が集まる中、臨床試験
(治験)では、様々な症状を総合的に改善する効果が明確に
示されていないため、ということです。塩野義製薬は、迅速な審査
が可能な「条件付き早期承認制度」の適用を求めていますが、
制度の趣旨に添わないのではなかと疑問視する意見もあり、
先行きはみえない、ということです。確かに、国産の飲み薬が
あればいいですが、健康に関わることですから、審査はしっかり
してもらいたいと思います。