ロシアによるウクライナへの攻撃がやまない中、4日夜に、北京
パラリンピックが始まりました。48の国・地域が参加するはず
だった大会から、開幕前日にロシアとベラルーシが除外され
ました。前々日には、個人資格の「中立」で参加は認める、として
いたIPC(国際パラリンピック委員会)は、多くの国から、それなら
対戦を拒否するなどの批判が相次ぎ、1日で一転して参加を認め
ないことにして、バタバタの開幕となりました。参加を認めた会見
で、ウクライナの記者が、参加予定だったのに、ロシアの侵攻で
死亡し参加できなくなった選手の写真を掲げ、それなのに攻撃して
いる国の選手は参加できるのか、と迫っていたことが、印象に
残っています。「平和の祭典」、政治とスポーツは切り分ける、
五輪・パラリンピックの精神が、踏みにじられています。開会式
では、IPCのパーソンス会長が、「平和へのメッセージから始め
たい。いや始めねばならない。」と述べ、共生社会の実現、多様性
の尊重、相互理解といった大会の理念を力説し、その逆をいく
分断の克服に取り組むよう、世界の責任ある地位の人々に呼び
かけました。最後に「ピース(平和を)!」と両方の拳を握りしめて
訴える姿に、多くの人は思いを同じにしたと思います。しかし、
開催国でロシアと親しい中国では、その部分を手話通訳が
訳さず、字幕も流れなかった、とのこと。ロシア、ベラルーシの
選手たちは、ロシアのプーチン政権の犠牲者です。13日まで
10日間の会期中に、スポーツを通して、各国の人たちが集い、
障害などの壁を越え、尊重しあう、平和な世界につながる何かを
生み出してもらいたいと思っています。