国連総会(193ヶ国)が、ウクライナ情勢を巡って、2日に採択した

 

ロシア非難決議には、加盟国の7割を超す141ヶ国が賛成し、

 

反対の5ヶ国、棄権の35ヶ国を圧倒しました。国連総会の緊急

 

特別会合は、40年ぶりに開かれ、歴史的なものになった、と報じ

 

られています。ロシア非難決議のポイントは、〇ロシアの

 

ウクライナ侵攻に最も強い言葉で遺憾の意を表明 〇「特別軍事

 

作戦」の表明や核部隊の警戒態勢引き上げを非難 〇民間人

 

に犠牲が出ているとされることに重大な懸念を表明 〇ロシア軍

 

に対し即時、無条件での完全撤退を要請 というものです。決議

 

内容は、2014年のクリミア半島編入の際には、ロシアを名指しで

 

批判することを避けていましたが、今回はロシアを名指しで非難

 

する強いものになっています。安保理での決議の際には棄権した

 

アラブ首長国連邦(UAE)が賛成にまわり、ロシアとの関係が

 

深いセルビアも賛成した、ということです。世界が結束して、

 

ロシアを非難したことには、意味があると思いますが、法的

 

拘束力は、ありません。ひとりの意思で動かしているとされる

 

プーチンの耳に、不都合なニュースは入っていないという説も

 

あり、民間人の犠牲者が増える中、心配されます。ウクライナ

 

から国外に脱出した人は、3日までに100万人を超えました。

 

今後数か月で、国外に出る避難民は400万人に達する恐れが

 

ある、とのこと。岸田首相が、避難民受け入れの意向を表明して

 

いることは、評価したいと思います。避難決議の採択後に

 

ウクライナの大使は「国連はまだ生きている」「これは始まりに

 

すぎない。投票して終わりではなく、投票自体が目的でもない」と

 

述べた、ということです。その通りで、何としても戦闘をやめさせ、

 

犠牲者が増えことを止めなければなりません。機能不全と

 

いわれた国連が、決議だけでなく、知恵を集めて行動することを

 

願っています。