第24回冬季オリンピック競技北京大会は、昨日29日夜、北京市

 

の国家体育場(通称・鳥の巣)で、閉会式が行われました。91ヶ国

 

・地域から約2900人の選手が集まり、17日間で7競技、史上

 

最多の109種目が行われました。新型コロナウイルスの流行の

 

中で、外部と隔てられた「バブル方式」で、東京五輪もそうでした

 

が、感染予防には役立つ反面、開催国の人たちと各国選手の

 

交流はなく、オリンピックの意義が損なわれたという見方があり

 

ます。また、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長をトップ

 

とする、商業主義の開催ありき、開催国中国に寄りすぎた対応は

 

批判されています。印象に残った課題としては、ROC(ロシア・

 

オリンピック委員会)で出たフィギュアスケート女子の15歳の

 

ワリエワ選手のドーピング疑惑が、まずあります。保護される年齢

 

だからと出場を認めたスポーツ仲裁裁判所の裁定、それを受け

 

入れたIOCの判断は、問われるべきものだと思います。フリーの

 

演技後に泣き崩れるワリエワ選手は、痛々しく、それを叱責する

 

女性コーチの対応に、胸が痛みました。若い選手を、練習場は

 

工場、選手は原材料、と使い捨てていくやり方も報じられて

 

います。またしてもロシアで起きたドーピング疑惑、しっかり調査

 

して、事実を明らかにしてもらたいです。国際スケート連盟が(ISU)

 

は、五輪や世界選手権などに参加できる年齢について、17歳に

 

引き上げる案を6月の総会に諮る方向で調整している、とのこと。

 

それが、よいと思います。中国が、五輪を政治利用し、欧米が

 

弾圧を指摘するウイグル族の選手を開会式の聖火リレーの最終

 

走者に起用したり、選手やメディアに人権問題の扱いを禁じたり

 

したことも、問題だと思います。ジャンプ複合で規定違反で

 

高梨選手など5人の女子選手ばかりが失格になり、その検査方法

 

が従来と違ったことも、検証してもらいたいです。スノーボードの

 

ハーフパイプで、平野歩夢選手が、金メダルをとりましたが、2回

 

目に、世界初のすごい技を決めた時の点数が低すぎたことなど、

 

採点のあり方に疑問も呈されています。課題は、各国や各団体で

 

しっかり精査し、改善していってもらいたいと思います。それでも、

 

国を越えて、スポーツ選手が、競い合い、たたえ合う光景は、

 

すばらしいものが、たくさんありました。日本は、最終日まで戦った

 

カーリング女子の銀を含めて、金3、銀6、銅9の計18個のメダル

 

を獲得し、冬季五輪最多になりました。メダル以上に、選手たち

 

からたくさんの感動をもらいました。特に、羽生結弦選手が、

 

ショートで穴にはまり8位になり、フリーで転倒しましたが4回転

 

アクセルが世界で初めて認定され4位に。昨日のエキシビション

 

では、「春よ」をこれ以上なく美しく舞い、練習ではこれまでの15の

 

プログラムを演じた、とのこと。インタビューで、「出し切った」と、

 

今後について「フィールドは問わない」と語った羽生選手、どうぞ

 

自分で納得する結論を出してください、という気持ちです。十二分

 

に頑張り、多くの感動を与えてくれたのですから。