ドーピング疑惑の中、ROC(ロシア・オリンピック委員会)のカミラ・

 

ワリエワ選手が、昨日15日、フィギュアスケート女子のショート

 

プログラムに出場し、トップの成績になり、演技後涙していました。

 

出場できたのは、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が、前日に、禁止

 

薬物陽性反応が出たワリエワ選手について、北京冬季五輪への

 

出場を引き続き認める裁定を下したからです。ワリエワ選手が

 

16歳未満で、世界反ドーピング機関(WADA)が定める「要保護

 

者」であることなどを考慮した、とのこと。CASは、ワリエワ選手の

 

陽性を認定した上で、「この状況で選手の五輪出場を阻んだ

 

場合、取返しのつかない損害を(選手に)与えると考えた」と説明

 

しています。そもそも昨年末に採取された検体から禁止薬物が

 

見つかったのが、なぜ1ヶ月以上もたった、五輪中のフィギュアの

 

団体戦が終わった後だったのか疑問です。通常は、採取から10

 

日ほどで結果が出るというのに。出場を認めた裁定は、あくまで

 

出場の可否のみで、すでに終了した団体戦や、これからの個人戦

 

の成績が有効かどうか、ドーピング違反をワリエワ選手に問える

 

のかなどについては、「別の機会に審理される」としていて、モヤ

 

モヤします。国際オリンピック委員会(IOC)は、ワリエワ選手が

 

からむメダル授与などを実施しないことを決めた、とのこと。団体

 

で銅メダルの日本への授与も行われていません。個人戦でも、

 

ワリエワ選手が3位以内に入ったら、セレモニーやメダル授与

 

は行わないと発表していて、そんな状態で出場させてよいのか、

 

戸惑いの声が、各国からも上がっています。IOCの薄い危機意識

 

も批判されています。スポーツは、公正・公平に行われなければ

 

ならないのに、他の選手もまきこんで混乱を招いています。問題

 

の薬物は、狭心症や心筋梗塞の治療薬で、選手が使えば血流が

 

増え、持久力を上げたり運動後の回復を早めたりする効果が

 

あり、食物などから誤って摂取する可能性は低いといことです。

 

周囲の大人の関係者たちへの調査が始まっているということです

 

が、そもそもロシアはドーピングによって、国としての参加が認め

 

られず、ロシア・オリンピック委員会としての参加になっています。

 

せっかくの五輪で楽しみを半減するような事態になっているので、

 

事実関係を明らかにし、他の選手への影響を最低限に抑えて

 

もらわないと困ります。