埼玉県ふじみ野市の立てこもり事件で、男性医師への殺人未遂

 

容疑で逮捕された無職渡辺宏容疑者(66)を、県警は、昨日29

 

日、殺人容疑で送検しました。渡辺容疑者は、「自殺しようと思い、

 

自分だけではなく医師やクリニックの人を殺そうと考えた」と供述

 

している、ということです。事件発生前日の26日に、渡辺容疑者

 

の92歳の母親が亡くなっていて、「母が死んでしまい、この先

 

いいことはないと思った」と話しているそうです。母親の治療に

 

強いこだわりを持っていて、東入間医師会によると、2021年

 

1月以降、渡辺容疑者から相談窓口に15回前後の電話があり、

 

最後は今月24日で、鈴木医師の治療方針に疑問を示すような

 

内容で、医師会関係者は「クレーム」のように感じた、とのこと。

 

こうした段階で、何とか殺人に至ることを防ぐ手立ては、なかった

 

のでしょうか。鈴木医師は、胃ろうなどの選択肢を示し、入院が

 

必要になる可能性を伝えていたそうです。渡辺容疑者は、27日

 

夜、母親の在宅看護に関わっていた鈴木医師など医療関係者の

 

男女7人を自宅に呼び出し、発砲。鈴木医師は即死だったのに、

 

警察に対して、被害者は無事だと伝えていたようです。一緒に撃た

 

れた理学療法士の男性も重体ということです。鈴木医師は、在宅

 

医療にも力を入れ、コロナへの対応もしていて、NHKの番組にも

 

出ていた、地域の頼りになる医師だった、ということです。これから

 

超高齢社会になり、家に医療関係者が訪れ、密接に関わることが

 

増えてくると予想されます。先日の大阪での精神科クリニックでの

 

医師などの殺人は、在宅ではありませんが、こうした被害を防ぎ、

 

医療関係者の安全を守るための議論を加速させる必要があると

 

思います。1人の身勝手な行動で、多くの人が信頼していた医師が

 

命を落とすことが、これ以上起きないために。