国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議は、産業革命前

 

からの気温上昇について「1.5度に抑えるための努力を追求すると

 

決意する」とした成果文書を採択して閉幕しました。焦点だった

 

石炭火力の扱いについては、インドなどが反発し、最終版で

 

「段階的廃止」から「段階的削減」と表現が弱まりましたが、COPの

 

合意文書に石炭の削減に関する言葉が入るのは極めて異例、と

 

報じられています。COP成果文書のポイントは、〇産業革命前

 

からの気温上昇を1.5度に抑えるための努力を追求する決意

 

〇温室効果ガス排出削減対策が講じられていない石炭火力の

 

段階的削減に向けた努力を加速 〇この重要な10年間に行動を

 

加速することが必要だと認識 〇必要に応じて、2022年末まで

 

に30年の削減目標を再検討し、強化するよう要請 〇先進国

 

から発展途上国への資金支援で、年間1000億ドル(約11兆

 

円)の目標が達成できず、深い遺憾の意を表明 〇パリ協定の

 

実施ルールを合意 となっています。13日夜の閉幕会合で、

 

英国のシャ―マCOP26議長が、「このような展開になり、深く

 

おわびする。だが不可欠なのは文書全体を守ることだ」と述べ、

 

声をつまらせると、各国の交渉官から拍手が起こった、ということ

 

です。国際会議での合意文書の作成については、ほんとうに表現

 

の細部のわたってガラス細工のような工夫が求められることが

 

往々にしていあります。後退したことは否めませんが、とにかく

 

合意文書に合意し、前進していくことが大事だと思います。それに

 

しても、日本政府の結果概要資料には、焦点だった「石炭火力」

 

の文字すらない、と報じられていることには、絶句します。日本は、

 

まだまだ石炭火力を使っていて、この会議中にもNGOから、またも

 

不名誉な化石賞をおくられています。小泉前環境相は、とても

 

前向きでしたが、今の山口環境相からは、熱意が伝わってきま

 

せん。様々な面で、安倍政権とは違った面も見せ始めている岸田

 

政権に期待したいと思っていますが。