先日の衆院選で、海外の有権者からの声が寄せられている、と
報じられています。解散から投開票日まで戦後最短のわずか
17日だったため、投票所が設けられた在外公館への移動や郵便
投票が間に合わず、政治参加を断念せざるを得ない人が出て
いる、ということです。今回は、急遽、日本の選挙管理委員会から
投票用紙を取り寄せ、送料約6千円を払って郵送で投票をした
人。投票用紙が届かず、投票をあきらめた人。数万円の航空券を
購入して大使館まで投票に行った人など、多くの声がインター
ネットに投稿されているそうです。せめて地方都市でも1日領事館
などを設けて投票できるようにしてほしい、という声もあります。
外務省によると、海外で3ヶ月以上暮らす日本人は、昨年10月
時点で、約136万人にのぼりますが、事前に「在外選挙人名簿」
に登録する人は、手続きの煩雑さなどから約10万人にとどまり、
過去の国政選挙での投票率は2割程度しかない、とのこと。政府
は、今回、在外投票を世界226ヶ所の在外公館で実施し、集約
した投票用紙を大使館員が東京に直接運び、各地の選管へ
郵送しました。ただ、最短の期間だったため、投票ができたのは
6日間だけ、と聞きました。さらに、今回は、コロナ禍で航空便が
制限された地域など15ヶ所で投票所の設置を見送りました。
インターネットによる投票の実現を国に働きかける動きも出て
いますが、具体化の見通しは立っていません。在外有権者の
選挙権を守れるよう、利便性を考慮し、知恵を出す必要があると
思います。また、衆院選に併せて行われる最高裁裁判官の国民
審査の投票がいまだにできないことも課題です。憲法に明記
されている制度でもあり、こちらも工夫が必要です。