2001年9月11日の米中枢同時テロから20年経ちました。米東
海岸で、旅客機4機が相次いで乗っ取られ、2機がニューヨークの
世界貿易センターのツインタワーに、1機がワシントンの国防総省
に突っ込みました。あと1機は、ホワイトハウスか連邦議会議事堂
を狙っていたといわれていますが、乗客が阻止に動き農村地帯に
墜落しました。日本人24人を含め、2977人の命が奪われ
ました。その日、私は、5年間の参議院議員時代で初の海外視察
でシンガポールにいて、テレビを見るように連絡があり、驚き
ました。この同時多発テロを受けて、米国は対テロ戦争に突入し、
アフガニスタンでの戦争は、先月の米軍撤退で、強引に幕がおろ
され、米史上最長の戦争は失敗した、と言われています。撤退
戦略はオバマ前大統領をはじめ、徐々に進められ、最後に
バイデン大統領が撤退戦略を実行しました。2003年には、
イラク戦争も開戦し、イラクに大量破壊兵器が隠されているという
情報は誤りだったと、後でわかりました。ブッシュ大統領の時
です。国民の厭戦気分は強く、撤退に反対する人は17%、との
こと。米国の一連のテロ戦争の費用は8兆ドル(約880兆円)に
のぼり、米兵の死者は7千人にもなっています。各国の民間人の
犠牲は35万人ということで、反米感情を生む要因にもなって
いる、と報じられています。それでは、テロの脅威は、この20年で
減ったかというと、そうではなく、むしろテロの脅威が広がった、と
されています。「対テロ」活動は、85の国・地域に及んでいて、
過激派組織「イスラム国](IS)などの新たな組織が生まれ、暴力を
正当化する戦闘員は、この20年で4倍になっているそうです。
アフガニスタンでは、亡くなった中村医師をはじめ、日本人も多く
援助活動に携わってきました。アフガニスタンの、女性の権利を
認めない新政権を認めることは、なかなか難しいと思いますが、
日本は、これまでも復興支援の国際会議を主導してきたりして
いいて、NGOの支援も現地で高い評価を受けています。これから、
アフガニスタンの人たちの命、尊厳を守るために、日本は先頭に
たって、国際社会の協力体制を作っていく必要があると思います。