菅首相は、昨日3日の自民党臨時役員会で、党総裁選(17日
告示、29日投開票)に、一転して立候補しないことを表明しま
した。新型コロナウイルスの感染拡大、支持率低迷、衆院解散の
日程や人事が思うようにいかなかったことなどが、あるようです。
新首相選出までは、菅首相が職務を続けます。安倍政権が長期
にわたったのは、菅官房長官の働きがあったためといわれます。
しかし、首相には、特にコロナ拡大などの非常時には、国民に
通じることばで語ることが求められているのに、それができなかっ
たことが、大きいのではないでしょうか。また、無派閥の菅氏を
必死で支えようという人が少なかったこともあるのかもしれ
ません。コロナへの対応は、誰がやっても難しいことは、わかり
ます。批判され続けている菅氏ですが、温暖化対策をようやく先進
国並みに引き上げたこと、子ども庁など子ども政策に力を入れよう
としたこと、選択的夫婦別姓の議論が党内でできるようにしたこと
等、私がみただけでも、評価してよい点もあったと思っています。
現職の菅首相が立候補しないことで、総裁選の様相も変わり、
すでに準備している岸田氏に加え、河野氏も立候補の意欲を
みせ、野田聖子氏、高市早苗氏も名乗りをあげたいとしていて、
石破氏も可能性があるようです。せいぜい政策の議論をしっかり
してもらいたいと思いますが、その間、ニュースが自民党総裁選
一色になることは、よくなく、バランスのよい報道が求められます。
新しい首相の下での衆院選ということになると、日程も流動的に
なりそうです。