政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長たち

 

専門家有志は、昨日18日、東京五輪・パラリンピックについて、

 

無観客が最もリスクが低く、望ましいとする提言を政府と大会組織

 

委員会に提出しました。その後の日本記者クラブでの会見で、

 

尾身氏は、最近までの大阪のような感染拡大が東京などで生じ

 

れば、「五輪を続けるのが難しくなる」という認識を示しました。

 

また、専門家の一人は、観客の上限について「1万人を想定する

 

のは東京の状況を考えると厳しい」と述べました。提言の骨子は、

 

〇無観客開催は、会場内の感染拡大リスクが最も低いので、

 

望ましい。 〇観客を入れる場合、観客数は現行の大規模

 

イベント開催基準より厳しい基準にすべきだ。 〇観客を入れる

 

場合、観客は開催地の人に限るべきだ。 〇観客を入れる場合

 

も、感染拡大・医療逼迫の予兆が探知されれば、無観客とする、

 

等です。尾身氏は、会見の際に、「リスクを評価することが我々の

 

責任。その評価をどう採用するかは政府、主催者の責任だ」と

 

語り、覚悟が伺えると思いました。この提言を出すことについて、

 

政府からでしょうか、国会閉会後にしてほしいなど圧力があった

 

ようで、政権与党の反発に専門家も慎重になり、分科会としてでは

 

なく有志になるなどした、と報じられています。都合のよい時だけ

 

専門家の意見を聞いて、として、都合の悪いことは黙っていろ、

 

というような政権の対応には、納得できません。専門家の提言前

 

に、菅首相は、国内観客を入れて開催する意向を記者会見で

 

表明し、上限1万人を基本とする方針を示したのは、機先を制した

 

?ということでしょうか。提言を受けて、与党内でも「提言は科学的

 

根拠に基づく。無観客にすべきだ。」という意見があり、組織

 

委員会の、提言を受け取った直後の会議では、「観客上限の方針

 

を決めた後でも、感染状況に応じて変更できるよう、柔軟な対応が

 

必要」という指摘だ出た、とのこと。当然だと思います。政府、組織

 

委員会には、専門家の提言、試算をきちんと受け止め、責任ある

 

対応をしてもらいたいと思います。