昨日16日で、通常国会が会期の150日間で、延長することなく
閉会しました。コロナ禍で、国民の命と暮らしが脅かされていて
対応が急がれる中、国会を閉じてしまって、あとは議論もせずに
政権が政策を決定する、というのは、おかしいと思う人が多いと
思います。菅首相にとっては、初めての通常国会でした。野党は
大幅な延長を求めましたが、与党は取り合わずに閉会しました。
菅首相は、野党だった2011年5月に、東日本大震災を受けて
「国会を閉じるなどとんでもない」とブログに記していて、当時の
菅直人首相は、70日間延長しました。立場が変わったら、主張が
180度変わるのでは、信用されないと思います。政府提出の法案
は61本成立しましたが、反対の声が強かった入管法改正案は
廃案になり、放送法も断念しました。国会の閉会を急いだのは、
コロナ対応が後手にまわっていると非難され、緊急事態宣言を
繰り返す中、追及をかわしたい、ということかと思います。また、
追及されたくない不祥事が続いていること。政治とカネの問題で、
吉川元農水相、河井克行元法相夫妻、菅原前経産相の問題
などが、菅首相側近といわれていることから、このことへの追及も
避けたかったのでしょう。超党派で成立をめざしていた法案の
うち、改正候補者男女均等法に、議会のハラスメント対策を盛り
混んだものは、最終日の16日に成立しました。しかし、超党派で
合意していたLGBTへの理解を促進する法案は、自民党内の対立
で提出が見送られてしまいました。コロナ対応や不祥事の説明
などの対応だけでなく、国会がやるべき仕事はたくさんあり、
休んでいる場合ではないと思います。国会で議論をする、という民
主主義の根幹が、安倍政権以来、ないがしろにされています。
10月までにある衆院選など選挙での判断材料にしなければと
思います。