国外退去命令を受けた外国人の入管施設での長期収容問題の

 

解消を目的とした入管難民法改正案が、16日、衆院本会議で

 

審議入りしました。現在の法律で、収容を解く仕組みは「仮放免」

 

のみですが、一時的に社会で生活できる「管理措置」を新設し、

 

逃亡には罰則を科す、としています。難民認定基準は満たさない

 

が、難民に準じる「補完的保護対象者」として在留を求める制度

 

を創設する一方、難民申請による送還停止を原則2回に制限

 

します。改正案に対して、外国人支援団体は「難民認定申請中

 

の外国人が安易に送還され母国で迫害される恐れがある」などと

 

反発しています。「管理措置」の対象は入管が個別に審査し、

 

難民申請中や訴訟中の外国人などが想定される、ということです。

 

許可されると、300万円を上限に保証金を納め、入管が指定する

 

支援者などが「管理人」として状況を報告する義務を負います。

 

逃亡時の罰則は1年以下の懲役か20万円以下の罰金となって

 

います。入管庁によると、不法滞在者は、2020年1月時点で、約

 

8万2千人いて、退去命令をうけて年間約1万人が帰国している

 

そうです。送還忌避者は約3千人いて、難民認定申請回数が

 

最多の人は7回とのこと。そもそも日本での難民認定は、2020年

 

に1.3%と、圧倒的に低すぎます。国内の外国人支援団体だけ

 

でなく、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も「非常に重大な

 

懸念を生じさせる側面がある」という意見を表明しています。

 

「管理措置」を新たに設けても、収容が原則であることは変わ

 

らず、許可するかどうかは入管の裁量です。収容期間の上限も

 

設けられていません。また、「管理人」は、監視する役目を負う

 

ため、支援団体では引き受けられないとしています。野党は、

 

〇収容の可否を裁判所が判断するようにして、期間の上限も

 

定める 〇難民認定部門を入管当局から独立させる、などの対案

 

を提出しています。外国人を管理・摘発する部門と、保護・支援

 

する部門が、同じ役所の中にあることの問題は、私が議員をして

 

いた頃から、いつも問題にされていました。野党案も合わせて審議

 

し、そうした組織のあり方にも及ぶ審議をして、国際標準にかなう

 

制度にすべきだと考えます。