原発についてのニュースに接するたびに、東日本大震災から10
年、あの事故から学んでいないと思わざるを得ません。民主党
政権の時に決めた、2030年には原発ゼロを実施すべきだと
思います。東京電力福島第一原発にたまる汚染水の処分方針
について、政府は13日、関係閣僚などによる会議を開き、放射性
物質の濃度を、法令の基準より十分低くした処理水にしたうえで、
海洋放出する基本方針を決定しました。汚染水の保管量は増え、
1千基以上のタンクに約125万トンがたまっていて、処理方法を
考えざるを得ない状態になっています。この決定によって、2年後
には、海洋放出されることになりました。漁業関係者は、風評被害
が出るなどと反対している中での決定です。IAEA(国際原子力
機関)の事務局長は「海洋放出は、どこでもやっている。目新しい
ことではない。」とし、科学者も希釈した処理水には、科学的に
検知できるリスクはない、としています。韓国、フランス、英国、
カナダなどでも、海洋や大気中に放出しているとこのと。しかし、
原発事故後、風評被害を含めて、ずっと損害を被ってきた漁業
関係者の心配はよくわかります。政府は、風評被害対策、そして
基準の40分の1に希釈してあるのでリスクはない、ということなど
科学的根拠に基づいた情報を、丁寧に説明し理解を得なくては
なりません。そもそも、日本の原発は、廃棄物の処理方法も
決まらないまま運用されていて、トイレのないマンションと揶揄され
てきました。安全神話が崩れ、すぐには廃止できないとしても、
安全基準が大切な中で、核物質防護の不備があった、東京電力
柏崎刈羽原発に、原子力規制委員会は、昨日14日、核燃料の
移動を禁じる事実上の運転禁止命令を出したのは、当然のこと
だと思います。これ以上、原発のリスクを国民に負わせることなく、
再生可能エネルギーを増やし、原発を廃止する方向へのかじ取り
を強く願います。再生可能エネルギーをめぐって、省庁の綱引きが
行われている、と報じられていますが、そんなことをしている場合
ではないと思います。