今日3月11日は、10年前に東日本大震災が起きた日です。

 

私は、当時、民主党政権の厚生労働副大臣をしていて、副大臣室

 

に泊まりこんで、情報が届かない中、対応に苦労したことを思い

 

出します。あれから10年は早いような、まだ10年なのか、複雑な

 

思いがします。10年で一区切り、とも言われますが、被害に

 

合われた方たちには、とても区切りはつかないことと思います。

 

天皇陛下は、皇后さまとともに、東京都内で開かれた犠牲者の

 

追悼式に出席し、被災者に寄せる思いを述べられました。

 

「今後、困難な状況にある人々が、誰一人取り残されることなく、

 

一日でも早く平穏な日常の暮らしを取り戻ることができるように、

 

復興の歩みが着実に実を結んでいくよう、これからも私たち皆が

 

心を合わせて、被災した地域の人々に末永く寄り添っていくことが

 

大切であると思います。」などと、おことばを述べられました。

 

東日本大震災では、関連死を含め2万2192人が亡くなって

 

います。また、避難生活を送る人は、今なお4万人を超えて

 

います。特に、福島県では、帰還困難区域の大半で解除の見通し

 

が立っていません。もともと過疎化、高齢化が進んでいる地域

 

ですが、被災3県では、人口の流出もあり、人口減少率は、

 

当時と比べて6%と、全国の3.5倍に上っています。復興事業

 

には、32兆円も投じられましたが、宅地を造成しても家を建てる

 

人は少なかったり、住民の意向に反して高い堤防が作られ海が

 

見えなくなったり、ちぐはぐさが目立ちます。被害をゼロにすること

 

ではなく、避難などソフトの部分も含めた「減災」を議論してきま

 

したが、現状は、どうなっているのか疑問です。復興庁は、震災

 

から10年の2020年に廃止される予定でしたが、政府は2030

 

年までの存続を決めました。東日本大震災の教訓を継承していく

 

ことが重要で、見送りとなっている「防災省」が、必要だと思い

 

ます。被災地出身のスポーツ選手、羽生弓弦、佐々木朗希、田中

 

将大、桃田健斗、有村智恵さんたちのコメントが、報じられて

 

います。震災の教訓をいかせていないと考える人が、福島では

 

60%、宮城では55%、岩手では49%という調査結果があり

 

ます。10年経って、報道が減り、話題になることが少なくならない

 

よう、私たちも心を配っていくことかと思います。特に、原発事故

 

があった福島では、廃炉作業もままならず、いつまで続くか

 

わからない避難生活を続けている人たちがいることを忘れては

 

なりません。