安倍前首相が、唐突に、小中高校と特別支援学校に、臨時休校

 

の要請をしてから1年です。この時、99%の学校が、要請に

 

応えて臨時休校しました。昨年3月2日以降で、春休みに入るまで

 

の予定でしたが、4月に緊急事態宣言が出て、都市部では、5月

 

末まで休校した学校がありました。学校ごとに、家で学習できる

 

プリントや課題を出したり、オンライン授業をしたり、対応に差が

 

でました。日本のオンライン授業の実態が、先進国や韓国など

 

と比べて、いかに遅れているかも感じました。その後は、学校で

 

感染者が何人か出ても休校はせず、感染が広がってもクラスや

 

学年ごとの休校に留めるよう、文部科学省が呼びかけています。

 

学校内での感染が広がることは少ないと分析されていて、児童

 

生徒が重症化した報告もありません。専門家の要請がない中で

 

唐突に出された休校要請の影響は、いろいろあるようです。現在

 

は、学校内で、人の間隔を1メートル以上あけ、寒い冬でも常に

 

換気を行い、手洗い、マスク、消毒を徹底するよう、文科省は求め

 

ています。教員が清掃や消毒を行ったと94%が、答えています。

 

分散登校や消毒などで教員の負担が増えたため、学習指導員や

 

スクール・サポート・スタッフを増やすための補正予算が組まれ

 

ました。自治治体からは、指導員約6万4千人、スタッフ約2万人

 

の申請があり、地域の住民や学生などが支援にあたっている、と

 

いうことです。

 

コロナ禍は、子どもの心身に大きな影響を及ぼしています。国立

 

成育医療研究センターは、昨年11~12月、「コロナ×こども

 

アンケート」で、子どものうつ症状の傾向を調べました。小1~

 

高3の保護者3705人がネットで回答しました。直前の7日間の

 

うち、「気分が落ち込む、ゆううつになる、いらいらする、または

 

絶望的な気持ちになる」という日が、「半分以上」または「ほとんど

 

毎日」と答えたのは、小4~小6で21%、中学生と高校生は

 

それぞれ24%でした。「死んだほうがいい、または自分を何らか

 

の方法で傷つけようと思ったことがある」という子どもも、「半分

 

以上」「ほとんど毎日」「数日」を合わせると、小4~小6は23%、

 

中学生は21%、高校生は26%に上りました。総合した結果、

 

小4~小6の15%、中学生の24%、高校生の30%に、中等度

 

以上のうつ症状の傾向が見られた、と報じられています。また、

 

文科省の集計によると、2020年の児童生徒の自殺者は、前年

 

比4割増の479人で、過去最多になっています。教育格差が

 

広がったと感じている人(17~19歳の男女各500人が回答)が

 

多くなっています。68%が、「コロナ禍で学習環境の差が広がった

 

と感じる」と答えています。選択登校制をとる学校、一時的に

 

教室から離れたくなった子も保健室からタブレット端末で授業が

 

見られるようにしている学校、端末を使い家庭で学び担任がその

 

経過をみられるオンライン教材などを小中学生に配布している

 

地域など、工夫をしているそうです。子どもたちの心のケアを、

 

もっと丁寧にしていくことが必要だと思います。日本では、カウンセ

 

リングができるなどの専門家が少なすぎることが、児童虐待防止

 

でも、ずっと課題ですが、コロナ禍による不規則な学校生活に

 

ついても、ケアが必要です。