選択的夫婦別姓をめぐって、法制化に反対している議員が多い
自民党内で、議論が活発化している、と報じられています。12月
の第5次男女共同参画基本計画の閣議決定を前に、橋本聖子
男女共同参画担当相が、推進に前向きな姿勢を見せています。
賛成派、反対派ともに勉強会を開催していますが、溝が埋まるか
不透明、と報じられています。自民党の議員連盟「保守団結の会」
は、26日に勉強会を開催し、高市元総務省が講演して、選択的
夫婦別姓制度の問題点を指摘したそうです。また25日には、
自民党の保守系議員などでつくる議員連盟「「絆」を紡ぐ会」が
発足し、大学教授を招いて問題点について議論しました。一方、
井出庸生衆院議員などの賛成派は、24日に勉強会を開き、
事実婚夫婦の子どもの意見を聞いたり、選択的夫婦別姓制度に
ついての意識調査の報告を受けたりしました。18日には、早稲田
大学の棚村教授などが、全国の60歳未満の成人男女7千人を
対象に選択的夫婦別姓制度について尋ねたところ、賛成が7割に
上った、という調査結果を発表しました。「自分以外の他の夫婦も
同姓であるべきだ」という人は約14%にとどまった、ということ
です。そもそも、選択的夫婦別姓については、1996年に法制
審議会が選択的夫婦別姓を認める民法改正案を法相に答申して
います。その改正案をまとめた民法部会の部会長は、私の父で
ある加藤一郎でした。通常、各省の審議会が答申すれば、それに
基づいて法案が、政府から提出され、国会で審議します。
ところが、選択的夫婦別姓については、自民党の保守的な考え方
の議員たちによって妨げられ政府案は提出されないまま、今日に
至っています。私も国会議員として、毎年のように野党から民法
改正案を提出してきましたが、ほとんど審議もされないまま
でした。民主党政権になって、実現を望んでいましたが、閣議決定
は閣僚が全員一致でないとできず、当時連立を組んでいた国民
新党の反対で、できませんでした。そのうちに東日本大震災が
起き、全く顧みられないまま、政権を明け渡すことになってしまい
ました。別姓にすると家族が崩壊するなどと保守系の反対する人
は言いますが、お互いの意思を尊重して別姓を選択する夫婦が
家族を壊すとは思えません。反対派の意見は承服しがたいものが
多く、賛成派の意見は切実です。仕事を続けていく中で旧姓で
あげた実績が継承されなくなる、女性が96~97%姓を変えて
いて男女平等でない、ずっとその姓で過ごしてきたのに姓が
変わるとアイデンティティー(同質性)が損なわれる等々。国連から
も、再三実現を促され、特に選択的夫婦別姓の実現を期限を
限って求められたりしているのに、日本政府は応えていません。
あくまで選択なのですから、実現してもらいたいと願っています。