安倍首相は、昨日24日、第2次内閣発足からの連続在職日数が
2799日になり、歴代最長の佐藤栄作氏を抜いて単独1位になり
ました。約7年8ヶ月もの異例の長期政権を担ってきましたが、
コロナ対応で支持率が下がり、成果と自認していたアベノミクスも
影響を受け、さらに自身の体調不安と、前途多難になっています。
今日は、2週間ぶりの閣議に出席していましたが、今日の自民党
役員会は中止、27日に予定されていた首相と党幹部などによる
在職記録更新の「お祝い会」も延期され、首相の体調不良に
配慮したのではないか、とみられています。安倍首相は、17日に
病院で検査を受けたとしていますが、7時間半もの滞在で、昨日
も同じ病院で、検査の結果を聞き再検査した、としています。
コロナ対応などで大変な時でもあり、体調がよくないなら、早期に
交代したほうがよいと思います。
コロナ対応では、自身のことばで語らないことなどもあり、支持率
が下がっています。22~23日に共同通信社が実施した全国
電話世論調査では、安倍内閣の支持率は前回7月の調査より
2.8ポイント減の36.0%で、2012年の第2次安倍内閣発足
後、2番目に低い数字となり、不支持率は49.1%でした。政府の
新型コロナ対応への不満があり、「評価しない」は58.4%に
上り、「評価する」の34.0%を引き離しています。コロナ対応での
各国のリーダーの支持率の変化で、興味深いデータが報じられて
います。日本の安倍首相が-11%、ブラジルのボルソナロ
大統領が-10%、米国のトランプ大統領が-3%、ニュージー
ランドのアーダーン首相が+12%、ドイツのメルケル首相が
+16%、となっています。国民が必要とする政策を実施するだけ
ではなく、きめ細かに会見などをして語りかけている女性の
リーダーが支持されていることが、よくわかります。
最長政権の間に、安倍首相が、どのような政策を実施したかを
みると、まず、アベノミクス3本の矢として、異次元の金融緩和、
機動的な財政運営、成長戦略を掲げました。その後、女性活躍、
一億総活躍、働き方改革など、次々と看板を掛け替え、野党は
「やったふり」と批判しています。株価の上昇など、政権が支持
された要因となったアベノミクスの成果とされているものは、新型
コロナによる経済の悪化で、吹き飛んでいます。安倍政権が、
権力が個人の内面に介入する法律を整えたことは、将来、言論
統制が強まる重要な起点となる、と警鐘を鳴らしている専門家も
あります。2013年に成立した「特定秘密保護法」、2017年に
成立した、いわゆる「共謀罪」法です。秘密の範囲が明確でなく、
恣意的な処罰への懸念が払拭されていません。一方、掲げていた
憲法改正、ロシアからの北方領土返還、北朝鮮の拉致家族の
問題などは、全く進んでいません。これだけの長期政権を許した
のは、野党のだらしなさがあると思います。是非、別の選択肢を
示してほしいと思いますし、私たち有権者も、新型コロナによって、
より研ぎ澄まされた考え方で対応していくことを願っています。