香港警察は、10日、中国に批判的な香港紙、リンゴ日報などの

 

創業者で、民主派の黎智英(ジミー・ライ)氏(71)を、香港国家

 

安全維持法違反容疑で逮捕しました。6月末の国案法施行後、

 

メディア関係者が逮捕されるのは初めてで、今後、報道機関に

 

萎縮の動きが広がる可能性がある、と報じれています。また、

 

日本語も流ちょうに話し、よく知られている周庭(アグネス・チョウ)

 

氏(23)が、10日、国安法違反(国家分裂先導罪)の疑いで逮捕

 

され、衝撃を持って受け止められています。周庭氏は、日本との

 

関係も深く、ツイッターで10日深夜から11日にかけて、逮捕に

 

抗議する投稿が拡散しました。2014年の民主化デモ「雨傘運動」

 

の学生リーダーの一人で民主活動家の羅冠聡(ネイサン・ロー)

 

氏(27)が、11日未明、自身のツイッターに日本語で「彼女は無罪

 

だが、無期刑を受ける可能性がある。日本の皆さまのサポートが

 

必要です」と訴え、11日夜までに6万回以上リツイートされた、

 

とのこと。香港警察は、11日夜、周庭氏を保釈しましたが、訴追

 

される可能性がある、ということです。黎氏などの処遇も不明な

 

ままで、中国外務省の定例会見で、外国メディアの記者が「黎氏

 

の逮捕は報道の自由を侵すことfにならないか」と問うと「香港は

 

法治社会だ。いかなる人物にも特権はない」と答えたそうで、どう

 

いうことか、理解に苦しみます。米国では、ポンぺオ国務長官が

 

ツイッターで「中国共産党が香港の自由を骨抜きにし、住民の

 

権利を侵害していることが改めて証明された」と非難しました。

 

6月30日の国案法施行後、香港警察は、7月1日の抗議デモで

 

「香港独立」の旗などを所持していた10人を現行犯逮捕しました。

 

21日には、昨年来のデモのスローガン「香港を取り戻せ 我らの

 

時代の革命だ」を主張した区議会議員を現行犯逮捕。その後、

 

内定捜査を本格化し、民主派の言動などを調べ上げ、香港の

 

独立を訴えた政治団体の元代表など4人を逮捕しました。今月に

 

入って、香港出身で米国籍の民主活動家など6人を指名手配して

 

います。民主派を次々に取り締まっているのは、中国の習近平

 

指導部の強硬姿勢がある、とされています。市民の知名度が高い

 

著名人を狙い撃ちして逮捕することで「中央政府には逆らえない」

 

という恐怖感を市民に植え付ける狙いがある、とのこと。いつも

 

米国や欧州まかせではなく、日本からも、市民の人権や報道の

 

自由を侵すことは許さない、という発信をしてもらいたいものです。