コロナがなければ、昨日23日に、東京五輪が開会しているはず
でした。来年の同じ日に開会する予定で、開会式1年前になった
昨日、東京・国立競技場で記念イベントが行われました。白血病
からの復帰をめざす池江璃花子選手(29)が、世界に向けて
メッセージを発信しました。「希望が遠くに輝いているからこそ、
どんなにつらくても、前を向いて頑張れる。私の場合、もう一度
プールに戻りたい、その一心でつらい治療を乗り越えることが
できました」「1年後のきょう、この場所で、希望の炎が輝いて
いてほしいと思います。」と述べました。
アスリートのためには、開会してほしいでますが、客観的にみて、
来年の開催は難しいと思います。期待のワクチンも、そう早くは
できない、ということですし、実用化されても、世界から選手
や観客が集まる五輪で、アフリカ、中南米など途上国に行き渡る
とは思えません。共同通信の全国世論調査(17~19日実施)
では、東京五輪・パラリンピックについて、「開催すべきだ」が
23.9%、「再延期すべきだ」が36.4%、「中止すべきだ」が
33.7%です。再延期と中止を合わせると70.1%になります。
これは、妥当な数字だと思います。簡素化を模索していますが、
米テレビ局との契約があるIOCは、開閉会式の時間短縮には
応じない、とのこと。IOCの「総論賛成、各論反対」の姿勢に、
複数の大会関係者が警戒している、と報じられています。無観客
や客席を減らす案もあるようですが、すでに販売したチケットは、
どうなるのでしょうか。開催可否の判断時期について、約5割の
国内競技団体(NF)が、今秋を含めて年内を希望していることが、
共同通信のアンケートで、22日にわかりました。コロナ危機で
先行きが不透明な中、6割のNFが五輪中止の可能性を考えて
いて、トップ選手の強化を担う現場で、IOCや大会組織委員会に
早期結論を望んている実態が、明らかになりました。当然のこと
だと思います。五輪に協賛しているスポンサー企業も、さらに
支援をすることを決めているところは、わずか、とのこと。
そもそもコロナの見通しを誤ったこと、安倍首相が任期中の開催を
希望したことなどから、来年に1年延期になったようです。五輪・
パラリンピックが、コロナを乗り越えて開催できればよいのです
が、その見通しが立たない中、更なる出費をし、アスリートを
振り回すのではなく、中止の英断を早くすることだと思っています。