新型コロナウイルスの影響で、学業継続が困難な学生に、国が

 

一定額を給付する「学生支援緊急給付金」が、要件を満たして

 

いるのに、一部の学生には支給されていない、と報じられて

 

います。同じ家族でも、私立大に通う息子は支給されたのに、

 

公立大の娘には支給されなかった、という例もあるそうです。

 

文部科学省によると、対象となる学生は、〇家庭から多額の

 

仕送りを受けていない 〇生活費・学費に占めるアルバイト収入

 

の割合が高い 〇アルバイト収入が5割以上減少、といった条件

 

を満たす必要があります。大学側は学生から申請を受けて審査

 

し、推薦する学生を決めて日本学生支援機構にリストを提出

 

すると給付される、とのこと。しかし、実際には、大学ごとに見込み

 

に基づく「枠」が割り当てられ、学生からの申請が枠を超えると

 

支給されない、ということです。長野県の、2千万円余の割り当て

 

があったある私立大では、申請者の8割近くに支給しましたが、

 

ある公立大は割当額が420万円と少なく2割弱にしか支給され

 

ませんでした。文科省が決めた割当額の根拠としたのは、経済的

 

に困窮する学生向けの無利子奨学金の利用者数とのこと。

 

大学生の4割もが退学を考えているという調査もある中で、コロナ

 

対策なのに学生の経済状況とは関係なく、支給・不支給がある

 

のは、おかしいと思います。学生支援緊急給付金は、現在、

 

7月末を締め切りとして2次募集の手続き中で、文科省は「2次

 

募集は割当額が足りないところに重点的に配分した」としている

 

そうですが、実際に必要な全員に支給されるかはわかりません。

 

きちんと、こうした支援に財源をあてて、不公平のない給付を

 

してほしいと思います。また、外国人の留学生にだけ厳しい条件

 

を設けているのも、おかしいことです。留学生は「学業成績が

 

優秀な者」に限定され、成績評価係数が2.30以上という要件が

 

示されています。これは、成績上位3割に相当するとのこと。

 

留学生の受け入れを積極的に、としてきた政府は、一般の学生と

 

分け隔てなく支援すべきです。日本で学ぶ学生で、コロナの影響

 

で困っている人達を、しっかり支援してもらいたいものです。