県の新型コロナウイルス感染症対策の考え方や手続きを定めた

 

県の「新型コロナウイルス感染症等対策条例」が、7月3日、県会

 

6月定例会の本会議で採決され、賛成多数で可決、成立しま

 

した。議長を除く県議55人うち、反対は第4会派共産党県議団の

 

5人と無所属の1人でした。条例は、「生活経済対策有識者懇談

 

会」で、昨日7日説明され、9日に施行する予定、ということです。

 

この条例の主な内容は、〇知事を本部長とする対策本部が発生

 

予防、まん延防止などの「基本的方針」を策定 〇まん延防止の

 

ため、県民や県内在住者、事業者に必要最小限の範囲で外出

 

自粛や施設の休業などを検討するよう協力を求めることができる

 

(新型コロナ感染症のみ) 〇県は県民、事業者への経済的支援

 

など必要な措置を講じる 〇市町村代表や専門家などへの事前

 

の意見聴取と、県会への速やかな報告を義務化 〇患者や医療

 

従事者に不当な差別的取り扱い、誹謗中傷をしてはならない、と

 

いうものです。県会では、制定そのものの必要性に議論が集中

 

しました。県民の問題意識ではなく、阿部知事など理事者側が

 

直面する課題に対応するための条例という印象が最後まで拭え

 

なかった、とされています。条例の柱の、私権制限につながる

 

恐れもある「協力の求め」をめぐっては、曖昧な部分が残された

 

ままです。他の県でも、コロナ対策の条例化が進んでいますが、

 

制定済みも含めて、休業や自粛の求めに関する独自の規定に

 

踏み込んでいるのは長野県だけです。県に課せられたのは、

 

医療、検査、調査の体制の充実、必要な物資の備蓄の責務です。

 

感染のまん延防止が必要な場合に、休業の協力要請の対象と

 

なる施設や協力の内容を「基本的方針」で定める、としています

 

が、協力の求めは必要最小限にするとしているものの、対象や

 

期間の定め方は具体的ではなく、恣意的な運用の余地を残す、と

 

言われています。公募意見では、休業した場合の経済的補償を

 

求める声が多かった、とのこと。県会での質疑の中で、県は、

 

感染状況によって、全県一律、10広域圏ではなく、市町村単位

 

で対応することも選択肢、としています。これまで県は、感染者の

 

情報を公表する際に、検討の経緯を公文書に残していません

 

でした。基本的方針の決め方等、議事録を残して、検証できる

 

ようにしてもらいたいと思います。