文部科学省は、昨日19日、本年度実施の入試について、基本的

 

な事項を示す「大学入学者選抜実施要項」をまとめ、全国の

 

国公私立大学などに通知しました。新型コロナウイルスにより

 

休校が長期化したので、大学入試共通テストの試験日に予定通り

 

の「第1日程」に加えて、2週間後の「第2日程」を設けました。

 

現役の高校生は、学習の遅れを理由に第2日程を選択でき、今後

 

どのような条件なら第2日程を選べるのか、詳細を詰める、という

 

ことです。浪人生など既卒者は、第2日程を選べません。また、

 

個別試験を行う大学に対して、出題範囲を例年より絞るよう要請

 

しました。また、来年1月の大学入学共通テストは、二つの日程に

 

加えて、新たに特例追試を設け3段構えをとることにしたと報じ

 

られています。入試日程を巡っては、文部科学省と高校団体との

 

間で意見が合わないできました。全国高校長協会は、全体の日程

 

を1ヶ月程度後ろにずらすよう要望書をまとめましたが、一部の

 

私学の意見が入っていないとして、文科省は受け取りません

 

でした。入試日程が複雑になり、第一日程と第二日程の難易度を

 

そろえらるのかが課題とされています。共通テストの成績を重視

 

して合否を決める地方国立大などでは、平均点に差がつかないか

 

神経質になり、受験生も不安を感じることになりそうです。各大学

 

が、いずれかの日程の成績だけを活用すると決められるように

 

することも一案、という意見もあります。追試などの設定に強制力

 

はなく、最終的な判断は各大学に委ねられます。第2日程を選択

 

した受験生は、私大の一般選抜は早い所で2月1日に始まる

 

ので、過密スケジュールになる懸念も指摘されています。その頃

 

に第2波、第3波が来る心配もあります。大学の入試によって、

 

受験生の人生が大きく左右されることもあります。各大学では、

 

コロナ禍の被害者でもある受験生の身になって、それぞれに工夫

 

をしてもらいたいと思います。