米大統領トランプ氏の言動に、世界が振り回されているように感じ

 

ます。中でも、懸念されているのが、コロナ対策に一丸となって

 

あたらなければならないのに、世界保健機関(WHO)からの脱退を

 

表明していることです。トランプ氏は、29日、ホワイトハウスから

 

対中政策を発表しました。「中国に支配されている」としてWHO

 

からの脱退を一つの柱としています。そもそも対中政策で脱退

 

する、ということが、おかしいと思います。確かに、事務局長の

 

対応などが中国寄りすぎる、ということは問題ですが、世界で

 

コロナ対応に連携しようとしているときに言い出すことではない、

 

と思います。少し落ち着いたところで、WHOの対応を検証して、

 

今後のあり方を考えることは必要ですが。国際社会が築いて

 

きた仕組みを壊してばかりでは、困ります。米国は、WHOの資金

 

の10分の1を負担していて、脱退すれば、財政的にもきつくなり

 

ます。また、トランプ氏は、「一国二制度」を前提とした香港への

 

優遇措置の見直しも対中政策の柱として打ち出しました。米中

 

対立がさらに激化しそうですし、何とか民主主義を守ろうとして

 

いる香港の人たちのことは、どう考えているのか、わかりません。

 

秋の大統領選のために。コロナ対応の失敗を隠し、目をそらそう

 

として強行姿勢をとっている、と見られています。また、米中西部

 

ミネソタ州ミネアポリスで、警官が黒人男性の首を圧迫して死亡

 

させた事件で、トランプ氏は、「略奪が始まれば発砲が始まる」と

 

ツイートしていました。各地で抗議デモが広がり、厳しい批判を

 

受けて、その後、トランプ氏は、態度を一変し、死亡した黒人男性

 

の家族に電話したことを明かし「起きてはならないことが起きた」と

 

しました。とにかく、全体状況をきちんと把握して行動できない

 

大統領が大国の米国にいることは、国内だけでなく、世界にとって

 

大きな懸念材料です。コロナへの対応などへの批判によって、

 

現在は、民主党のバイデン元大統領がリードしている州もある、と

 

いうことで、秋の大統領選を注視したいと思います。米国で、

 

マスクをしているのは民主党、していないのは共和党、という報道

 

もありました。ここでも、分断が生じているのでしょうか。