新型コロナウイルス対策として、政府が国民に一律10万円を
支給する「特別定額給付金」のオンライン申請が、5月1日から
順次始まり、8割ほどの自治体で始まっています。ところが、マイ
ナンバーカードを持っていない人などが役所に行き密集して
しまっていたり、使い方や暗証番号がわからなかったり、混乱して
います。オンライン申請には、パソコンのカードリーダーやスマホ
のアプリなどが必要になりますが、スマホの機種によってはアプリ
がダウンロードできない、ということです。マイナンバー通知カード
でなかく、マイナンバーカードを持っていないとできませんが、その
交付率は16.4%にとどまっています。その少ない人が申請した
だけで、容量がオーバーしてシステムがダウンしてしまい、受付
を取りやめる自治体も出ているそうで、いったいどのような設計を
したのか疑問です。マイナンバーカードの取得や、暗証番号など
を5回間違えるとロックされてしまい、解除するには役所の窓口に
行かなければならず、人がたくさん並んでしまっています。カード
作成時に設定した暗証番号(英数字6~16桁)が必要ですが、
それを忘れてしまって問い合わせたり、ロックの解除が必要に
なったりしています。しかも、カードを申請しても、発行手続きには
約1ヶ月かかる、とのこと。そもそも、マイナンバーカードを持つ
メリットがなく、持っている人が少ないことがもとにあります。
そもそもは、マイナンバーを持つことで、所得・税金・年金などを
把握し、低所得者にお金を給付する給付つき税額控除を導入する
ことなどが話し合われていて、そうなれば便利になるはずでした。
ところが、省庁の既得権の壁や、年金機構の不祥事で年金も当初
は入らないことになり、中途半端な状態になっています。そうした
設計がうまくいかなかったことから、使う価値が見つからない
ので、カードを持たない、ということかと思います。しかも、今回は、
世帯ごとに給付することにしたので、カードで申請しても、役所で
職員が台帳と確認する、というアナログなやり方になり、時間が
かかるので、役所から送られてくる書類を郵送する方法と速さは
変わらない、とされています。それなのに、総務省が、カードでと
いうのは、これを機に、マイナンバーカードの普及を図りたいという
魂胆で、国民にとっては、あまりメリットはない、ということになり
そうです。